連携機関

ドイツ:ケルン大学・ケルン・グローバルサウス研究センター
(The Global South Studies Center Cologne, University of Cologne)

ケルン大学は、ヨーロッパで最も古い歴史を持つ大学の一つで、ドイツにおけるエクセレンス・イニシアティブに指定されています。現在はドイツ連邦国内で最大の学生数を持ちます。このうちケルン・グローバルサウス研究センターは、これまで同大学で顕著な業績をあげてきた社会・文化人類学、アフリカ研究、歴史学、言語学、メディア科学などの分野が結集して2014年に設立されました。同センターは、グローバル状況下での学際的な地域研究を推進していく卓越した研究機関として多方面にわたる活動を推進していくことが期待され、世界的に注目されています。また、過去5000年にわたるアフリカの言語、社会、文化に関する数多くの貴重な資料を保持しています。

ドイツ:ドイツ霊長類センター・行動生態学・社会生物学部門
(Behavioral Ecology and Sociobiology Unit, German Primate Center)

ドイツ霊長類センターは、1993年からマダガスカル西部にフィールドステーションを設置し、マダガスカル西部熱帯乾燥林における生物多様性保全研究拠点として活動を行っています。受入研究者であるPeter Kappeler教授はフィールドステーションの運営代表者として、マダガスカルの生物多様性保全に関する包括的な研究を推進しています。Kappeler教授はゲッティンゲン大学動物学・人類学部教授を兼任しており、同大学での大学院博士課程学生を含めた研究スタッフは約25名、年間予算22万ユーロほどです。Kappeler教授は、ドイツ研究振興協会(DFG)から総額150万ユーロの支援を受け、昨年から3年間にわたる大型プロジェクトを取り組んでいます。

スコットランド:エジンバラ大学・アフリカ研究センター
(Center of African Studies, University of Edinburgh)

エディンバラ大学は、英国屈指の名門大学の一つであり、スコットランド最高峰の研究機関です。このうち社会政治科学校は、英国における社会科学を牽引する優れた教育研究を行ってきたことで知られています。社会政治科学校の下位組織であるアフリカ研究センターは1962年に設立され、ヨーロッパで最も優れたアフリカ研究の拠点の1つとして、数多くの研究者や実務家を輩出してきました。本プロジェクトの受入研究者であるBarbara Bompani 博士は、現在この歴史あるアフリカ研究センターの所長を務めています。

フランス:国立科学研究センター・社会科学高等研究院
(École des hautes études en sciences sociale, Centre national de la recherche scientifique)

国立科学研究センターの社会科学高等研究院(EHESS)は、フランスを代表する社会科学研究拠点であり、クロード・レヴィ=ストロースやピエール・ブルデューなど、我が国でもよく知られているフランス語圏出身の思想家の多くはEHESSあるいはその前進の高等研究実習院第6部門に籍をおいていました。EHESSにおけるフランス語圏アフリカについての研究は、世界的にきわめて高い評価を受けています。ASAFASはこれまで、EHESSから歴史学・人類学など地域研究関連分野からの客員教員を招へいし、国際会議のパネルを共催した等の実績があります。

エチオピア:アジス・アベバ大学・社会科学部およびエチオピア研究所
(College of Social Science / Institute of Ethiopian Studies, Addis Ababa University)

アジス・アベバ大学は、エチオピアで最も古く、権威のある総合国立大学で、エチオピア内外の学界、産業界、政界で活躍する優れた人材を輩出してきました。本プロジェクトの連携研究者であり、現在社会科学部の部局長を務めている Gebre Yntiso Deko博士は、米国フロリダ大学で文化人類学の学位を取得後、ASAFASの地域研究とフィールドワークの手法を学んで、これをアジス・アベバ大学に導入しました。ローカルな知の活用と地域のデザインに関する共同研究を推進するうえで最適の人物です。

カメルーン:ヤウンデ第1大学・教養・文学・社会科学部
(Faculty of Arts, Letters and Social Sciences, University of Yaounde I)

ヤウンデ第1大学は、教養・文学・社会科学部はカメルーンにおける人文社会科学研究の最高峰です。京都大学の研究者とは、過去20年にわたって研究協力を続けてきました。ASAFASとの間に2003年にMOUが締結されています。本プロジェクトの連携研究者であり、教養・文学・社会科学部で文化人類学科長を務めるMbonji Edjenguélé博士は、カメルーンにおける文化人類学研究の第一人者で、長年にわたって生と死をめぐる医療人類学に関する研究を続けてきました。

南アフリカ:ケープタウン大学・アフリカ言語多様性研究センター
(Centre for African Language Diversity, University of Cape Town)

ケープタウン大学は、アフリカ大陸を代表する研究・高等教育機関であり、アフリカの人々のアイデンティティにも関わる優れた人材を輩出し続けています。このうち本研究のカウンターパートとなるアフリカ言語多様性研究センターは、本研究を進めていく上で貴重かつ重要な研究資料を所蔵しています。とりわけ、サンの言語や民話に関する研究のパイオニアであるWilhelm Bleek(1827-75年)らが収集した資料をCALDiが大量に保存していることは特筆に値します。現在同センターの所長を務めるMatthias Brenzinger博士は、コイサン諸語を対象とする著名な言語学者で、ナミビアや南アのクエ-アニ、コマニを対象として、申請者と同じく身体的・言語的コミュニケーションに関する研究を行ってきました。

マダガスカル:アンタナナリヴ大学・理学部動物学科
(Animal Biology Department, Faculty of Sciences, University of Antananarivo)

アンタナナリヴ大学は、マダガスカルで最も長い歴史をもつ大学で、高等教育および研究の中心です。特に理学部動物学科は、動植物の固有性が著しく高いマダガスカルにおいて動物学の拠点となってきました。近年は、ドイツ霊長類センターと連携して生物多様性保全研究の拠点としてさらに活発な活動を行うようになってきています。Hajanirina Fanomezantsoa Rakotomanana教授は、1998年に京都大学大学院理学研究科で博士号を取得した後、歴代最年少で教授に就任した新進気鋭の動物学者で、鳥類を始めとするマダガスカルの動物を対象にした行動生態学・保全生態学に取り組んでいます。野生動物保護協会の科学顧問などを歴任しており、マダガスカルにおける保全研究の中心人物の一人です。

カナダ:マギル大学・人類学科
(Department of Anthropology, McGill University)

北米を代表する研究大学の一つで、カナダで最も国際的な大学だといわれています。このうち人類学科は人間の文化的多様性を追究することを目的として、とくに現代社会におけるグローバル化の影響や多文化社会の実現に関して、北米やアフリカを始めとする世界の各地でフィールドワークに基づく人類学的な研究を推進してきており、世界的に卓越した業績を上げています。主要連携研究者となるJohn G. Galaty准教授は、ケニアを始めとするアフリカの各地で、土地にまつわる権利とコンフリクト、エスニシティとアイデンティティ、法人類学などについての研究を精力的に推進してきました。この一環で、マギル大学とアフリカ保全センター(ACC)のパートナーシップを強化することを目的としたthe Institutional Canopy of Conservation (I-CAN)プロジェクトの代表も務めています。